機械の中にハリツケにされた涼子は、悲しそうな声で博士に尋ねた。
「…パパ、ジャッカーの人たちが言ってたんだけど、女の子たちを誘拐してサイボーグに改造するのって、パパがリーダーだったの?私がされたこの改造も…性欲処理用サイボーグの設計も、パパのアイデアなんだって、本当?」
「…。」
博士は娘に核心を突かれて、思わず言葉を失った。涼子の言う通り、サイボーグ兵器開発も性欲処理用サイボーグも、自分が率先して導いて来たプロジェクトだったのだ。涼子は悲痛な面持ちで続けた。
「…ジャッカーの人たちは、私はもう人間じゃないって言うの。サイボーグは機械であり物なんだって。そうなの?」
ハリツケにされたブルセライダーはこの父娘の会話を聞いていて、複雑な心境になった。この憎い博士の為に自分はサイボーグ兵器に改造されてしまい、妹をサイボーグ材料として拉致させられ、サイボーグ化された姉を破壊するよう命令されたのだ。その博士が実の娘を悲しいサイボーグに改造されてしまったのは、正直いい気持ちだとも思う。しかし改造された張本人である涼子には同情するし、このような姿で対面することになったこの父娘が、可哀想でもある。
涼子はジャッカーに捕われて以来人間扱いされることはなく、サイボーグ材料として冷酷に扱われ、犯され、そして性欲処理用サイボーグに改造されてしまい、また犯され続けてきた。その間、どんなに辛い思いをしてきたことだろう。ましてや、裏切り者の娘として、残酷なジャッカー総帥から過酷な虐待を受けているに違いない。涼子は今迄のそんな辛い体験を吐き出すように、博士に問い続ける。
「パパがたくさんの女子中高生をさらって人体実験したり、サイボーグに改造したって、ジャッカーが言うの。ほんと!?私もその中の1台にすぎないんだって。そうなの!?」
可哀想に!博士は胸が痛くなるほど涼子を哀れんだ。性欲処理の為に使われる機械にされてしまった一人娘の涼子の惨めな姿を眺めながら、博士の頭はひどく混乱した。今迄に経験が無いほどの重い憐憫を感じた。そして同時に、奇妙な感覚にも襲われていた。この時の博士は動転し混乱していたので自分でもそれがどんな感覚なのか把握できていなかったが、一言で言うならば、それはこうである。
ーー可哀想な涼子!あまりにも悲惨だ。だがどうせもう助けることはできない。ならばこのかわいい涼子を、もっと可哀想な目に合わせてやりたいーー |