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改造人間ブルセライダー
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サイボーグ・ペットみゆ
第1話 第2話 第3話 最終話

第3話

   一文字博士の裏切り〜ブルセライダーの再洗脳

 本郷玲菜は改造人間である。セーラー服姿がかわいい女子中生だった玲菜は、悪の組織ジャッカーによって拉致され、サイボーグ兵器に改造されてしまった。「超高度機械化改造型戦闘用サイボーグ兵器ブルセライダー01号機」、通称「ブルセライダー」と名付けられた玲菜は、ジャッカーの野望の為に日々酷使され、体を操られて犯罪行為を強要されていた。

 いつものようにサイボーグ格納庫でハリツケ姿で拘束され強制睡眠にされていたブルセライダー1号機は、ある夜、一文字博士によって密かに強制覚醒させられた。苦しそうに目覚めたブルセライダーは、改造脳に新たなプログラムを書き込まれた。それは、ジャッカーへの絶対服従を解除し、一文字博士の命令だけに絶対服従するというプログラムだった。改造脳を引っ掻き回されて苦しそうに顔を歪めるブルセライダー。やがてプログラムは完全に書き換えられた。「…私は…一文字博士の所有物であり、一文字博士のみに絶対服従します…」ブルセライダーは洗脳処置を施されて、今度は一文字博士専用の兵器にされてしまったのである。それからブルセライダーは一文字博士の命令に従って、ブルセライダー自らのメンテナンス用の機器類を車に運ばされ、車に乗せられてアジトから連れ出されて行った。

 ブルセライダー1号機を載せた車は、ある廃工場の中に入って行った。ブルセライダーは博士に操られて、その廃工場の1室の中に、サイボーグ兵器メンテナンス用デッキを組み立てさせられた。そして完成したデッキの中に自ら入るよう命令されて、ジャッカー・アジト内のサイボーグ格納庫の時と同じように、ハリツケ姿で全身を固定された。
 ハリツケ姿のブルセライダー1号に向かって、一文字博士は言った。
「ブルセライダー1号、お前は今から私だけのサイボーグ兵器だ。もうジャッカーの所有物ではない。」
改造脳のサイボーグ制御コンピューターにはそうプログラムされてはいるが、事態が飲み込めずきょとんとするブルセライダーに、一文字博士は説き伏せるように熱弁した。
「私はジャッカーを離れる。今、お前をジャッカーから助け出してやったのだ。…お前も、ジャッカーは間違っていると思うだろう?お前をこんな体にしたのもジャッカーだ。これからお前は、憎いジャッカーと戦うのだ!私はお前を洗脳し直して、ジャッカーを倒す為の、正義のサイボーグ兵器にしてやった。ブルセライダーは、正義のサイボーグ兵器に生まれ変わったのだ!」

 こうして、ブルセライダー1号機は一文字博士とともにジャッカーを裏切ることとなった。博士とブルセライダーは今後、裏切り者としてジャッカーから命を狙われることになるのだった。

 

セーラー服少女サイボーグ

一文字涼子

本郷みいなの誘拐

 ジャッカ−を裏切った一文字博士は、ジャッカーからの報復に備えて、戦力の増強を急ぐ必要がに迫られた。ジャッカーでは既に「ブルセライダー2号機、3号機」の開発計画が持ち上がっている。最強兵器である新型ブルセライダー2台の攻撃を受ければ、一文字博士に勝ち目は無い。大至急新たなサイボーグ兵器を造らねばならない。その為に、急ぎサイボーグの材料にする少女を確保せねばならない。
 ブルセライダー1号機を使って捕獲するのに適した少女はいないか調べられるため、ブルセライダー1号機は脳内スキャンをかけられた。脳改造を施されたサイボーグは、脳内に埋設されたサイボーグ制御コンピュータを通じて、脳内を覗き込まれて意識の深層にある情報を読み取られてしまうのだ。
「サイボーグ兵器に改造する為の少女の候補を挙げろ」との問いを受けて、ブルセライダー1号機こと本郷玲菜の脳内には、「あたしの妹で小学4年生の『本郷みいな』か、姉で高校1年の『本郷彩菜』なら、捕獲が容易である」との返答が浮かんだ。
「ほう!本郷みいなと本郷彩菜、か!すばらしい!お前の姉妹を提供してくれるとは!はっはは。さすが最強のサイボーグ兵器だ、はっはは、あっはっは。サイボーグ兵器3姉妹も悪くないな。」
玲菜の顔は引きつった。確かに自分の姉妹なら、拉致するのは簡単だろう。自分の頭の中はすべて、一文字博士にお見通しなのだ。
(お姉ちゃんとみいなを改造!?イヤ!そんなのイヤ!)
一文字博士は直ちに、ブルセライダー1号機の脳内コンピュータと改造脳を操作して、脳内スキャン情報を元に姉妹を拉致するよう命令を下した。
(イヤ、イヤだよぉ!お姉ちゃんとみいなをサイボーグ材料として捕獲、だなんて!)
ブルセライダーは自身の姉妹をサイボーグの材料として拉致せよという非情な命令に泣き出してしまったが、脳を制御されているので反抗的な内容を発声することはできない。それどころかブルセライダーは、姉妹を捕獲するべく、自宅に向かって走り出していた。意志とは正反対に、生身の人間の力を遥かに超えたスピードで、姉妹拉致に向かってひた走る。泣きじゃくりながらも、コンピュータに操られ大改造された体が止まらない。泣きながら走るブルセライダーの改造脳内に、博士の声が響いた。
「ブルセライダー1号機!お前はただの機械なのだ。生身の人間のような感情は捨て去れ。」
(ウッ!あたしは人間じゃない、ただの機械…。)
「それに、お前は本郷玲菜ではない。お前は、本郷玲菜と言う女子中学生を材料に製造された、『超高度機械化改造型戦闘用サイボーグ兵器ブルセライダー01号機』という兵器なのだ。」
(あたしは、本郷玲菜じゃくて、本郷玲菜を材料に造られた、兵器…?)
「そうだ。お前は、超高度機械化改造型戦闘用サイボーグ兵器ブルセライダー01号機は、兵器として造られた、ただの機械だ。そのパーツの1つとして、本郷玲菜の肉体が使われた、というだけのことにすぎんのだ。」
(あたしはただの兵器で、その材料の一部に使われたのが、本郷玲菜!?もう、イヤ!イヤだよぉ!…頭の中覗かれるのも、もうイヤだよぉ!)
「まあいい。いくら嫌がろうと、お前の体はコンピュータに操られるままに任務を遂行するのだ。」



 やがてブルセライダーは、懐かしい家に辿り着いた。ジャッカーに拉致された日の朝に学校に向かって家を出て以来だ。何週間すぎているのだろう?自分がいなくなって、家族はさぞや心配していることだろう。こんなこと考えてるのも、全部博士に覗かれてるんだろうな。ブルセライダーは飛び上がり、2階の窓を開けて妹みいなの部屋に侵入した。それに気づいたみいなは、行方不明になっていた姉を見て、ぱっと表情を明るくした。
「玲菜ねえちゃん!?どこ行ってたの!?…なあにその体??」
妹みいなが、機械化改造された姉の無惨な姿に目をやった時、玲菜は股間に仕込まれた麻酔ガスを浴びせた。みいなはすぐに気を失った。
(ゴメンねみいな、ゴメンね!玲菜姉ちゃん、体を操られてるの!)
プログラムされた通りに、意志とは裏腹に体を操られてみいなを眠らせ、みいなの小さな体に拘束具をかけた。そんな自分が悔しくてサイボーグ玲菜はグッスン、グッスンと泣き出してしまった。すかさず博士からの声が脳内に響いた。
「機械のくせに感傷にひたっていないで、早く彩菜を捕獲せよ!」
ブルセライダー玲菜は彩菜の部屋に行ってみたが、彩菜はどこにも見当たらない。これ以上長居しては危険なので、玲菜は帰還を命令された。それを受けて玲菜は、みいなの小さく軽い体を抱きかかえて、博士の待つ廃工場へと走って戻った。

 自分の妹をサイボーグ材料として拉致するという非情な任務を遂行し、ブルセライダーはまたハリツケにされて眠らされた。みいなはさっそく、改造手術の前段階の検査を行われた。まだ小学4年生で初潮も未経験、第2次性徴すら始まっていない本郷みいなは、体も華奢で小さくて、いかにも肉体の未発達な幼女といった外見だ。改造手術台の上に大の字に固定されても、改造手術台が大きく余ってしまっている。それに、身体データを見ても、過酷な改造手術に耐えられるか不安要素が多い。博士はせっかく捕えたこの幼女だが、サイボーグ兵器に改造することを躊躇せざるを得なかった。


 博士は改造に備えてデータを集めるため、本郷みいなを拷問にかけた。それにより、玲菜とみいなの姉である長女彩菜が、数日前から行方不明になっていることを知った。おそらく、サイボーグ材料としてジャッカーに拉致されたのだろう。最初に拉致されブルセライダー01号機に改造された次女の玲菜、先ほど博士が拉致した末っ子のみいなだけでなく、長女の彩菜まで、サイボーグの材料として、ジャッカーに拉致されてしまったのだ。本郷3姉妹は、皮肉なことに、サイボーグ兵器に改造されるべくして生まれて来た材料用姉妹なのだ。

セーラー服少女サイボーグ

一文字涼子

 ジャッカーはサイボーグ兵器増産に向けて、着々と材料用少女を捕獲している。裏切り者である一文字博士も早くサイボーグ兵器を製造しなくては、勝ち目は無くなってしまう。不安感から、一文字博士は何となく自分の家に電話した。そこで初めて、一人娘の涼子が行方不明になっていることを知った。博士は血の気がさあっと引いて行くのを感じた。まさか!?まさか涼子がジャッカーに!?
 博士は、涼子が泣き叫びながらジャッカーに誘拐され、サイボーグ兵器へと改造される姿を脳裏に浮かべた。涼子が危ない。すぐにジャッカーのアジトを捜索しなければ!量産型サイボーグに守られたジャッカー・アジトに侵入させるには、ブルセライダー1号機1台だけでは戦力不足だ。援護用に、サイボーグ兵器がもう1台は必要だ。今すぐにサイボーグ化できるのは、玲菜の妹みいなしかいない。だがまだ幼いみいなは危険な改造手術に耐えられず、改造途中で死んでしまうかもしれない。しかし背に腹は代えられない。博士は、危険を覚悟で、幼い本郷みいなをサイボーグ化改造することを決断したのだった。もっともジャッカー時代と違って、今後は博士1人で改造手術を行わなくてはならない。今すぐ改造を始めたとしても、完成までに2週間以上はかかってしまうだろう。一人娘の涼子を一刻も早く助け出さなければ、涼子がサイボーグに改造されてしまう!どうしたものか!?博士は頭を痛めた。
 やがて博士は決断した。涼子を救う為には、一刻の猶予も許されない。一か八か、ブルセライダー1台を救出に向かわせるしかない。今ならまだジャッカーの戦力も知れている。今すぐブルセライダーをジャッカー・アジトに潜入させよう。博士は直ちに、潜入作戦の準備に取りかかった。ブルセライダーを改造手術台に固定して、ボディを作戦に合わせて小規模改造した。ジャッカーや一文字博士の論理ではサイボーグに人権は無いので、今回の改造にも麻酔は使われない。ブルセライダーはまたしても断末魔の苦しみに悶え泣き叫ぶのだった。しかし手術台に厳重に固定されているので、ブルセライダーはされるがままだ。そしてブルセライダーの改造脳に、今回の作戦のプログラムが書き込まれていった。頭の中を引っ掻き回されるような激痛と不快感に、ブルセライダーは相変わらず苦しみ悶えている。
 プログラムが完了すると、ブルセライダーはすぐに基地から出撃させられた。ブルセライダーは脳内コンピューターに操縦されて、人間離れしたスピードでジャッカーのアジトに向かって走って行く。そのスピードの為にセーラー襟はめくれ上がり、背中に付けられたマントが後ろになびいている。この最強の戦闘用サイボーグの顔は、涙に濡れていた。まだ13歳の女子中学生だった玲菜は、あまりに過酷な自分の運命に耐えられず、ただ泣くしかないのだった。

続く→第4話

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